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伊藤 洋子 の 詩

楽園 (パラダイス)

窓はあけておいて
カーテンだけしめよう
汗だくの男の声が
彼方から響いてくる

紺を脱ぎ捨てた時
少女の顔の輪郭は変わり
孤独を抱き締める
結んでもらった水玉のリボンを
迷うことなくほどき
髪が流れる
髪はベッドから床に向かって流れる河
煙草を吸う釣り師の輝く瞳
髪はいたずらに距離を作る海
泳ぎきれるか溺れるか
自分でも先は見えない
船に乗って逃げるのはルール違反

常識に向かって放尿した時
少女の指先は開放的になり
仔猫に唇をよせる
似合うと言ってくれた
ペディキュアの赤
ゆっくりとぬり
髪が流れる
髪は人との関わりによって
河になったかと思うと
橋を架ける間もなく
海になっている
カーテンを閉めた部屋で
私はたった一人の
土佐衛門を抱き締める
三日月の夜


*** 当作品は、高校時代の作者の手による同名の作品が存在します。参考資料として、以下に掲載してあります。

楽園 (パラダイス) (高校時代の)

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