しろいふくを
きたひとたちが
みえる
母の口からもれた
臨終の時ではない
もっと前だった
短い 年でした
私にも見えるのです
白い服を着たひとたちが
彼らは
私の手足を固定し
黒いビニールの上にのせました
白い服たちは汗をかいています
私に向かって話しかけています
右足に付く者
左足に付く者
右腕に付く者
左腕に付く者
おかあさん
あなたが見た白い服を着たひとたち
翌日
あなたを連れていってしまいましたね
腹
背中
腰
右足
左足
右腕
左腕
肉体を切り刻んだ後
白い服を着たひとたちは連れていく
私を連れていく
あなたの時と同じように
私を連れていく
白い服の中のひとりがわたしの夫を呼ぶ
何か手渡す
彼はそっと受け取る
夫の手の中に在る小さな肉体
声を出している
私のむきだしの脚も腰も血だらけ
たったひとつの窓から見える
紫色の朝日
私は片手を動かし
黒いビニールを触る
私の肉体から出たばかりの血が
今
私の指にべっとりとついている
紫色の血
同名の live performance ありました。
Refer =>
[りるまざ堂個展 賑やかし]
[窓は紫色]
愛の にせ薬屋 [りるまざ堂] 個展 [スクイマ越境学入門ε] の opening として。
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