五月十九日
アルバイトから帰ってみると
母の姿はなかった
整理された部屋
遅すぎた入院
やっと与えられたベッド
ねむりたかった
ねむれないとわかっていても
ねむりたかった
あれから十二年
電話をかける
ああ
そうだった
わすれたかった
わすれられないとわかっていても
わすれたかった
七月二十九日
母の十三回忌
いつも傍にいた
ずっとついていた
父
電話をかける
私は母の写真を持っていない
だれかくるかな?
おひるすぎにくるんじゃないかな
母との最後の会話
二人だけの病室
午後三時をすぎていた
父はこの場所にはいなかった
私は父に付き添うのだろうか
父は私を呼ぶのだろうか
月曜日の朝
ねむっている真秀(まほ)
電話をかける
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