TopIto, Yoko 伊藤 洋子

Yoko's poem works

伊藤 洋子 の 詩

午後6時

くずれていく皮膚

飲めない水

食えない飯

裸体の上にのせてある一枚の浴衣

ずっと雨が降っています

あなたはひとり

わたしもひとり

口をあけている

あなたの声はどこから出ていたのでしょう

そして

わたしの声はどこから出ているのでしょう

 

午後6時

狭い部屋の中

鳴り続ける電話

横たわるあなたに背をむけて

階段を降りていって10年

受話器を握り

わたしは声を出す

横たわるあなたが声を出す

ずっと雨が降っている


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「午後6時」解説

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