炎
あなたの肉
あなたの髪
まわりは緑と水と土
白い月が見える
マイクロバスに乗ってここに来た
燃えている
燃えている
のどがかわいていた
隣のおばさんが梅干を一つ取ってくれる
口の中でゆっくり動いていく
いつも
水だけが欲しかったのです
私よりものどがかわいていた
亥年の姉はもういないのです
一緒にあなたの骨を拾った
四つ違いの姉はもういないのです
あなたのねまきをいつも洗い
あなたの台所に入っていた
私の姉はもういない
あなたが初めて産んだ子供はいない
のどがかわいていた
いつも
父は必ず誰かと話している
白い月が見える頃
父は犬と外を歩いている
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