靴下を織る音はもう聞こえません
米を搗く音ももう聞こえません
あの胸に広がっていた地図ももう見えません
えりの開いたシャツに隠されて
見えるのは
わたしたちと同じ色の汗
十九から胸に地図は出来ていた
時を経て
地上に向かって吹き上がる星屑が
彼女から生まれた子供たちの
体の中に流れていく
現実に近い形をつくるために
口から胃や腸へ流されていく
髪を伸ばすことを許されて
わたしは戸外へ出たくなる
踏みつけられる母の胸の地図
化粧が出来るようになった時
母は地図を使って
どこかへ逃げてしまった
彼女の胸を踏んだのだから
わたしの足にも地図は出来ているだろう
いまのところ
どこへ逃げていいのかわからない
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