TopIto, Yoko 伊藤 洋子

Yoko's poem works

伊藤 洋子 の 詩

人魚の館

達磨大師の掛け軸の下で
始まっている百物語
御殿荘とは名ばかりの
平屋の旅館
その畳に水があふれ
海になる
仁王立ちでにらむ担任
一列に並ばされ正座
にぎりこぶし
ひとりひとりの頭の上
きちんと落としてくれる
昨日は別の宿
夜遅く支配人が
いきなり部屋にどなり込んできた
これ以上うるさくしたら
いっそのこと学校問題にしますよ
娘たちは耳があることを知らない
雑誌を読んだり頭の上でタオルを動かしたりしてて

仁王立ちの女教師
前歯の銀は別として
余りにも乱れた髪は
二十代後半になった
今のわたしと同じだ
怒ることにも飽きてしまって
バタ足で自分の部屋に戻り
めいめい人間のお面をとった
稚魚たちは潜水する
達磨大師の瞳(め)が光る
この旅館の朝食には
必ず魚の塩焼きが出る
十一年たった今でもそれは続いている

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