TopIto, Yoko 伊藤 洋子

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伊藤 洋子 の 詩

さよなら こんにちは

一週間分の洗濯を始める
雨になろうと 雪が降ろうと
今日しかない
せめて
停電のしないことだけを祈って
水を入れ
洗剤を入れ
ダイヤルをまわす

三日ぶりに顔を見せる猫は朝帰り
軽くつまみ上げて放り込む
泡が段々と大きくなって
ちぎれて飛ぶ
屋根まで飛んで
こわれて消えたのは
中一の終わり頃
名札を貰い損った先輩への思い
それ以後も
逢う気があれば逢えたんだけど
やけに気持が
冷めてしまってね
熱しやすく冷めやすいのは
昔からの悪い癖
悪気はないのに放り込まれる先輩

そういえば三年前まで
母は 〝命の洗濯〟 だと言って
三月から十一月の間で
カレンダーの数字が赤い日だけ
勤めに行った
決して待遇の良くなかった職場
足かけ七年通ったことになる
それも放り込んでやる
何度めかになる
私の通っている会社も放り込む
給料日の次の日に
洗濯をやっているのも
或る種の計画的犯行だ

〝ちょっと、すみません〟
の一言から始めて
かなりの額を稼ぐ連中
渋谷や新宿・銀座・池袋
必ず出没する
キャッチ・セールス
迷わず放り込む

もっと もっと
あらゆる物を放り込む
不気味に笑う二槽式洗濯機
これでもか これでもかと
腕をまくって 片脚を上げてる
私と向き合っている
回転が終わって
脱水も終わった時
取り出して干せる物
いくつあるのか
気になるけど
電話がなけりゃあ
誰にも訊けない

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