TopIto, Yoko 伊藤 洋子

Yoko's essay works

伊藤 洋子 の エッセイ

よーこ先生、しっかりしてください。

[君は〝らら・りんか〟を見たか。]

2001/08 vol.008

2001年8月5日、日曜日。場所は江戸川橋 [S.Pavis 33]

私は久しぶりにソロliveを行った。

[ろ・朗読!? 君は〝らら・りんか〟を見たか。]

〝らら・りんか〟とは何なのかということを

まず、お話しておきます。

〝らら・りんか〟とは私が5歳頃考えた

幻のキャラクタです。性別は女性。

年齢は17歳。髪は金髪でロング。長身。

服は上はボーダー柄のノースリーブ、下はミニスカート(またはパンタロン)。

腕にはブレスレットを2つ付けている。

靴は厚底ブーツ。

ただし肌はあくまでも白です。

(それを除けば今どきのギャルに近い)

 

当時の私が大きくなったら、こういうかっこうをしたいと思って、考えたかというと、

決して そういうわけではない。

では、そういう、お姉さんとお友達になりたかった?

うーん それも ちょっと違う。

私の中で創りだした人物であって、

まあ、そうはいっても、その頃、そういった女性のファッションは巷にあふれていたんですけれど。

 

君は〝らら・りんか〟を見たか。」というタイトルは

私が誰かに対して問いかけてるわけではありません。

そもそも

君は〝らら・りんか〟を見たか。

というタイトルは

君は〝らら・りんか〟を見たか。

に したくなかった。

それと live 上で 私が〝らら・りんか〟の仮装は

絶対しないと決めていた。

私=〝らら・りんか〟 では ないので。

私の中で創ったのは、はるか昔であって、もはや、

私の中に〝らら・りんか〟が いるのではない。

とっくに 私から離れている。

しかし、誰も知らない。

誰にもつかまらない。

誰も見ていない。

「君は〝らら・りんか〟を見たかった。」

とか

「君は〝らら・りんか〟を見たか…。」

の方が

「君は〝らら・りんか〟を見たか?」

とするよりも、かなり、ピタリとくる。

このタイトルの「君」は私以外の全ての人ではなく、

「私」そのものである。

 

〝らら・りんか〟という人物を私の中で創りだして、

既に30年以上たってしまった。

その間、さまざまな出会いと別れがあった。

人の子供だった筈の私が人の親になってしまっている。

しかし、子供時代に好きだったものや、思い出を

無理に封印しようとは思わないが、

なんといいますか、ひとつの区切りをつけたかった。

40歳に近づいている。でも、まだ2年はある、この時期に。

 

今回のliveの流れ、セッティングは、どうであったかというと、

白い壁に 出光石油の あの アポロ の マークを

貼っておきます。部屋のまんなかには ちゃぶ台。

本当は まるく茶色のがよかったが、手に入らなかった

ので、仕方なく、四角く、白地に斜線が入っている。

古新聞の上には山積みになった子供の靴。

私の服装は下はエスニック風のスカートで、

中に黒いスパッツを はいている。

上は白いブラウス。

蛙や虫の声の後、ハエタタキをバシ!バシ!やりながら

私が登場。納豆女と赤い着物の少女が闘う話

「榧の木」(かやのき)。

次に、壁に貼ってある出光のマークを真似して、

サインペンで描いた「紙風船」、

この詩の間に 描けるだけ描いた。

似てなければ、似てないほど良い。

「楽園(パラダイス)」の小道具は、

ピンクの半透明な救急箱とビー玉、おはじき、スーパーボールも使った。

本番になるまで、必死に子供たちから守った品々。

「地図」は何にもしないで大人しく朗読するのかしらと思ったら、

コンビニ袋なんかを途中で かぶったりしてました。

生協の広告やTVブロスをびりびり破いたのが

「午後6時」でした。

「文月」は詩の途中で中座しました。

どうしたのでしょう?

森永カルダス

(カルシウムの多いと言われる加工乳、本当は、単なるビン牛乳が欲しかったが、あいにく手に入らなかったので、我が家で毎日とっているそれにした)、

ストロー、

そして、

昔なつかしいコーヒーのコーヒーのミルメーク

(粉末で、牛乳にとかすと当然、コーヒー牛乳になります)。

すわって、それを時々、飲みながら、朗読。

その詩が終わったら、カラのビンを持って退場。

セルスタ—ズの「ハチのムサシは死んだのさ」が流れる。

それで終わりなの?

あっ!再び、伊藤 洋子!!

しかも、テキスト以外、何も持っていない。

詩の中の主人公も新宿のどこかのこじんまりとした店で、

朗読をしている。 

回想と現実が静かに妖しく絡まりあう。

確かなことは、詩の中の人物も、この「S.Pavis 33」にいる伊藤 洋子も、

今、声を出している。「五月八日」。

そして、始まりと同じカエルの声で終わった。

 

今回の小道具は、子供時代に好きだった物、あるいは、

特別に好きというよりは、

常に身近に存在していた物ばかりを集めた。

(例えば、当web上、既に有名になっている、伊藤 洋子の初恋、出光のマ—クetc.。)

従って、物がかなり多くなった。

ただ、再演はしないだろう。

〝らら.りんかII〟とかもないだろう。

この企画は1回限りでいいのだ。

「君(わたし)は〝らら.りんか〟を見たから。」

ら、

〝らら,りんか〟

参考資料

live チラシ » 君は〝らら・りんか〟を見たか。

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おかげさまで売れてます。

Almost poetical works of Yoko till 1998

[伊藤 洋子 大全 1998]

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